【場所】 テアトル池袋 【出演】 大西麻恵 /かとうかずこ /岡村 力(監督) |
|
関東エリア進出の第一弾・・初日舞台挨拶が、東京・池袋のテアトル池袋にて行われました。当日は、監督の岡村力と、木藤亜也役の主演・大西麻恵、そして、母親潮香役のかとうかずこの3人が駆けつけ、上映後、それぞれが映評や、感想を熱く語った。まず、監督の岡村が口火を切り、本作が映画第一作だった事もあり、強い思い入れがあった事を、会場に向いアピールした。「ノンフィクションの原作があるので、リアルさを強調させることにこだわりましたが、大西さん、かとうさん、その他の役者さんには、アウトラインのみ伝えるくらいなもので、どう演じてくれるのか・・という期待で、楽しんで現場に望めました」と、自然なリアルさを追求できた事に、安堵の表情を見せていた。
|
|
今回の上映館、テアトル池袋の動員数は、約170席だが、上映前からすでに満席状態で、立ち見の観客も数多く見られ、関心度の高さをうかがわせた。やはり多く目に付いたのが、家族での鑑賞や、亜也さんが生きていたら、現在は30代後半から40代の年齢だが、同世代の女性の姿が多く見られた。同世代の観客に感想を伺ってみると「当時、私はこれ程真剣に生きる事を、考えてはいませんでした。特殊な事情があったとしても、亜也さんの聡明で、ピュアな姿に感動しました。」さらに「どんな状況であれ、生きる事にこだわり続けたい・・」など、自分自身を見つめ直す機会ができたようで、作品と会場がひとつになったようだ・・・。
|
|
右の写真は、中学三年生・14才当時の木藤亜也さんである。すでに発病した頃に撮影されたスナップ写真であるが、ご覧頂きたいのは、この、屈託の無い満面の笑顔である。この笑顔こそが、後に不治の病と最後まで闘い続け、1リットルの涙を流し続けながらも、生きる事にこだわり、全力で立ち向かう力の“原点”であり、“源”でもあるのです。最後まで、笑顔を捨てなかった亜也さんには、人としてどうすべきか・・命へのこだわりを深く学び、再確認させていただいたヒューマンドキュメントである。
|
|
舞台挨拶の壇上で、大西は「私自身も、この病気を原作のみでは知っていましたが、本当の病状など、わからないことがあったので、主治医の山本先生や、豊橋養護学校の先生達にお話を伺いながら、一番、大切にしたかったのが亜也さんの前向きさや心情でした。描くのに努力しました・・」と、亜也さんになりきる過程を説明した。それに続き、かとうは「潮香お母さんが、映画を見てくれて、私、こんなに強かったかしら、なんて言われた事が在るんですが、どんな時でも母親は一生懸命なんだなあと、本を読んで思いました。」と、母と娘の苦楽を共に演じた2人に、会場からは惜しみない拍手が送られた。
|
|
今回、撮影に臨んだ大西は、不治の病を演じる際よくあるのが、病気の特性や症状を、より克明に演じる為、撮影現場に監修を担当する医師が同行するが、今回は脊髄小脳変性症という難病という事もあり、専門医も少ない事から、現場での監修はなかった。しかし、大西は自分で、リサーチ取材を重ね、台本の上には、注釈メモがいっぱい書かれていて、台本の文字数より多いのではないかと思わせるくらい、勉強を重ねていたのである。そうした努力も見ていただきたい、病気になっていく事が、悲しい事だけではなく、新しい力を人々に与えてくれる・・そんな所も、見ていただきたいです。と、かとうが語ると、思わず大西がこらえきれず声を詰まらせ、かとうが見守る姿は役を超えた、母娘像を伺わせる一場面だった。
映画の上昇気流を占う一齣と、スタッフらは全国へ向け、パワー全快である。 |
|
【映画館】
テアトル池袋 【上映期間】 2005年 02/06〜6週間 【上映時間】 連日 10:20/12:30/14:40/16:50/19:00 【当日券】 一般¥1,800/大高¥1,500/中・小・シニア¥1,000 【前売券】 一般¥1,000 |
|